大学職員への転職を目指している方から、

「学校法人会計って何ですか?」

「面接で聞かれることはありますか?」

という質問をよくいただきます。

実際に採用面接では、

「大学について何か勉強していますか?」

という質問をすることがあります。

その際、

「学校法人会計について少し調べました。」

と言える応募者は非常に少なく、それだけでも大学への関心が伝わります。

もちろん簿記や会計士レベルの知識は必要ありません。

しかし、

学校法人会計は企業会計とは目的が違う

という基本的な考え方を知っているだけで、大学業界への理解は大きく深まります。

今回は大学職員採用担当の視点から、学校法人会計をできるだけわかりやすく解説します。

学校法人会計とは?

学校法人会計とは、

学校法人が教育・研究活動を継続するために用いられる会計制度です。

一般企業が利益を追求する組織であるのに対し、

学校法人は、

  • 教育
  • 研究
  • 社会貢献

を目的としています。

つまり、

「利益を最大化するための会計」ではなく、「教育を継続するための会計」

これが学校法人会計の基本的な考え方です。

企業会計との最大の違い

企業会計では、

利益が増えれば良い会社という評価になりやすくなります。

売上

営業利益

経常利益

純利益

が重要な指標になります。

一方、学校法人会計では、

利益を追求することが目的ではありません。

教育研究活動を安定して継続することが最優先になります。

そのため、

利益が大きいから良い大学というわけではありません。

ここが企業会計との最も大きな違いです。

なぜ学校法人会計が必要なのか

学校法人は何十年、何百年と教育を続けていく組織です。

そのため、

校舎

研究施設

図書館

学生寮

実験設備

などを長期間維持する必要があります。

短期的な利益よりも、

将来にわたって安定した教育環境を維持することが重要になります。

学校法人会計は、そのために作られた制度です。

基本金とは?

学校法人会計で最も特徴的なのが、

基本金

という考え方です。

企業にはない制度です。

簡単に言えば、

教育に必要な資産を維持するために確保しておく資金です。

例えば、

  • 校舎
  • 土地
  • 教育設備
  • 図書

などを取得した場合、

その価値を基本金として組み入れます。

つまり、

「将来の学生のために必要な資産」

を守る仕組みと言えます。

学校法人会計でよく見る3つの計算書

大学職員になると目にする機会が多い資料があります。

資金収支計算書

お金の出入りを管理する資料です。

授業料収入

人件費

設備投資

補助金

などが分かります。

家計簿に近いイメージです。

事業活動収支計算書

教育活動全体の収支を見る資料です。

企業の損益計算書に近い役割がありますが、

利益を追求するためではなく、

教育活動が健全に運営されているかを確認するために利用されます。

貸借対照表

大学が保有している資産や負債を表します。

土地

校舎

現金

借入金

など大学の財政状況を確認できます。

企業会計と同じように重要な資料です。

私学助成金との関係

私立大学は授業料だけで運営されているわけではありません。

国から交付される

私学助成金

も重要な収入です。

学校法人会計では、

これらの補助金も適切に管理されます。

そのため、

大学職員を目指すのであれば、

学校法人会計と私学助成金はセットで理解しておくと面接でも好印象です。

面接ではどこまで知っていれば十分?

採用担当として言えば、

専門知識は必要ありません。

しかし、

例えば、

「学校法人会計は利益を追求する企業会計とは異なり、教育研究活動を継続するための会計制度であると理解しています。」

この程度を自然に話せれば十分です。

さらに、

「基本金という制度があることも知りました。」

と続けられれば、

大学についてしっかり調べてきた印象になります。

学校法人会計を知っている応募者は意外と少ない

実際の採用面接では、

学校法人会計を勉強している応募者はほとんどいません。

多くの方は、

志望動機

自己PR

ガクチカ

だけを準備しています。

そのため、

学校法人会計

私学助成金

中教審答申

について少しでも触れられる応募者は、

大学への志望度が高いという印象になります。

採用担当としても非常に評価しやすいポイントです。

大学職員になってからも役立つ知識

学校法人会計は経理担当だけの知識ではありません。

人事

教務

学生支援

入試

研究支援

施設管理

どの部署でも、

大学の財政状況や予算を意識する場面があります。

大学全体の仕組みを理解する上でも非常に役立つ知識です。

採用担当経験者としての本音

私は採用担当として、

大学について自分から学んでいる応募者に好感を持ちます。

学校法人会計は決して難しい資格試験ではありません。

大切なのは、

「大学は企業とは違う組織である」

ということを理解しようとする姿勢です。

その姿勢は、

入職後も学び続ける大学職員としての資質につながります。

まとめ

学校法人会計は、

教育・研究活動を継続するための会計制度です。

企業会計との違いは、

利益を追求することではなく、

教育環境を安定して維持することを目的としている点にあります。

特に覚えておきたいポイントは、

  • 学校法人会計は教育のための会計制度
  • 企業会計とは目的が異なる
  • 基本金という独自制度がある
  • 資金収支計算書・事業活動収支計算書・貸借対照表が基本資料
  • 私学助成金とも深く関わる

という5点です。

大学職員の面接では、

学校法人会計を完璧に理解する必要はありません。

しかし、

少しでも勉強しているだけで、

「大学業界に本当に興味を持ち、自ら学んでいる応募者」

という印象を与えることができ、他の応募者との差別化につながるでしょう。